活動方針

令和6年度 山形県連合小学校長会活動方針

 山形県連合小学校長会は、昭和22年に結成されて以来、本県小学校教育の充実発展のため、真摯に研究と実践を重ねるとともに教育条件の整備に努め、多くの成果を収めてきた。
 現在、少子高齢化を伴う人口減少やDXによる社会構造の変化、価値観の多様化、地域コミュニティ機能の弱体化や地球環境問題など、子どもを取り巻く社会情勢はめまぐるしく変化している。学校では、教職員の世代交代や人員不足、いじめや不登校問題、情報モラルの欠如や生活習慣の乱れ、規範意識の低下などのこれまでの課題に加え、令和の日本型学校教育の構築を目指した学習指導要領の着実な実施やGIGAスクール構想に基づくICT機器を有効に活用した教育活動の在り方、働き方改革の一層の推進、感染症をはじめとした多様な危機への対応、新たな研修制度の確立による教職員の資質・能力向上などの課題も抱え、私たち校長が連携して解決へ向かわなければならない状況となっている。
 このような時代だからこそ、自分の意志をしっかりともち、多様な価値観をもつ人々と共に考えながら、問題解決に主体的に参画しようとする意識や態度の醸成が望まれる。豊かな創造性としなやかな知性など、自ら未来を拓き、ともに生きる豊かな社会を創る日本人の育成を目指していかなければならない。
 国が掲げる第4期教育振興基本計画、及び、県の第6次山形県教育振興計画の基本目標「人間力に満ちあふれ、山形の未来をひらく人づくり」の推進は、山形県の学校教育が取り組むべき最重要課題である。また、令和6年度中に策定予定の第7次山形県教育振興計画の検討過程も注視していく必要がある。
 一つ一つの困難を乗り越え、日本社会に根ざしたウェルビーイングの向上と持続可能な社会を実現するために、新たな発想や価値を創造し社会の各分野を牽引していく人材の育成が求められている。
 私たちはこうした現状を受け止め、人間力に満ちあふれ、社会や地域の持続的発展に貢献できる子どもを育てていかなければならない。
 校長は、自らの責任と使命を自覚し、時代の潮流を捉える先見性と不易流行を見極める見識をもって経営ビジョンを描くこと、創意ある教育課程の編成・実施・評価・改善、時代を担う教職員の資質・能力の向上、学校組織の活性化、施設設備の改善など、学校経営の充実にリーダーシップを発揮することが求められる。
 そこで、山形県連合小学校長会は、学校数が減少する中、連合体としての組織力を一層高め、校長の学校経営力の向上に資する研修の充実を図るとともに、人的措置を含めた教育諸条件の改善・充実に向けて積極的に発信し、県民の信頼と負託に応えていく必要がある。
 そのために、家庭や地域、関係機関との連携を図り、次の事項を重点としてその実現を期するものである。


重点

1 特色ある学校づくりと教職員の資質・能力の向上を目指した学校経営の推進

(1) 人間力に満ちあふれ、社会や地域の持続的発展に貢献できる子どもを育てる学校経営の推進
(2) 学校経営に係る諸課題解決に向けた「提言」に基づく取組の推進
 

2 学校経営の充実に資する研修の推進

(1) 第78回山形県連合小学校長会研究協議会の実施
(2) 県連小理事研修会の開催

3 課題解決に向けた専門委員会活動の推進

 学校経営の改善と充実を図るため、教育問題に係る研修や調査研究などの活動や収録、および教育行財政問題の検討と対策に係る行動を行い、本県小学校教育の振興に努める。
(1) 対策活動の推進
 ①人事対策
   令和の日本型学校教育を推進する上で必要な人的配置を含めた環境整備が図られるように努める。
 ②行財政対策
   教育諸条件の整備に係る調査研究を行い、施設・設備、教材等の整備・充実、学校配当旅費の改善、教  職員の資質向上を図るための条件整備に努める。
 ③給与対策
   教職員が安心して教育に専念できるようにするための給与・諸手当をはじめ、定年延長制度に対応した  退職時および退職後の処遇、年金制度等について研究を深め、その維持・改善が図られるよう推進する。
(2) 研修活動の推進
 ① 第78回山形県連合小学校長会研究協議会の開催運営に努めるとともに、全連小の研究協議会との連携を  図る。
 ② 学校経営に関する研究紀要の編集を行う。
(3) 生徒指導の推進
 校長を中心とした生徒指導体制を充実させ、すべての子どもが個性の伸長を図りながら社会的資質や行動力を高められるよう、情報収集と迅速な情報発信を行う。
(4) 調査研究の推進
 県内小学校長が協力して取り組むべき喫緊の課題がある場合には、担当する専門部等を決めて調査研究を行い、課題への対処方法等を発信する。

4 連携・交流を図る活動の推進

(1) 県内各地区校長会相互に、緊密な連携を図り活動を推進する。
(2) 山形県教育委員会、市町村教育委員会はもとより、家庭および、PTA、地域、異校種間、関係団体と  の連携を図る。
(3) 東北連小の関連会議に参加し、東北各県校長会・全連小との連携を図る。